慢性腎臓病・腎不全
慢性腎臓病は、腎臓の機能がなにかしらの原因で低下してしまう病気。
なりやすいのは高齢の猫ですが、年齢に関係なく気をつけたい病気です。
腎臓病は4つのステージに分類されていて、ステージ4の段階に入ると命に関わる
危険性が非常に高くなります。
慢性腎臓病は、一度かかると基本的には進行してしまう病気なので、
根本的な治療法はなく、進行を止めるために食事の管理や水分補給、投薬、
輸液などを行うのが一般的です。
膀胱炎
おしっこをしにくそうにしていたり、おしっこに血が混じっている場合には要注意です。
人や犬は、細菌性膀胱炎(細菌が膀胱に入り込んで炎症を起こす)が多いのに対して、
猫は特発性膀胱炎になる可能性も高く、その理由の多くはストレスだといわれています。
ストレスを与えないためには、トイレを使いやすい環境にすること、
水分をたくさん摂取させることです。猫が1日でどれくらいのお水を飲んでいるか、
おしっこをどれだけしているかをチェックしてあげることで、膀胱炎の早期発見
に繋がります。
猫の胃炎・胃腸炎・腸炎
消化器の粘膜が炎症を起こしている状態のことで、症状としては吐き気や下痢、
食欲低下などが見られます。原因はさまざまで、誤飲やストレス、感染症や
中毒などがあげられます。ひどい場合には嘔吐と下痢による脱水症状を
起こしていることも。
毛が長い猫は、毛づくろいのときに飲み込んだ毛がそのまま消化管にたまってしまう
ことで胃腸炎や胃炎になる子もいます。毛の長い猫は、毎日しっかりとブラッシングを
行いましょう。また、食事を変えたことでお腹の調子が悪くなる場合もあるので、
フードを変更する場合には、必ず少しずつ調整するようにしましょう。
また、これらの症状が別の病気によって引き起こされている場合もありますので、
下痢や嘔吐などの症状が出た場合には動物病院へいくことをおすすめします。
心筋症
猫の心臓病の中でも最も起こりやすい病気は、心筋症。心臓の筋肉は、柔軟に縮んで
ぶ厚くなったり、伸びて薄くなったりすることでポンプとして働き、血液を全身に
送り出しています。この心臓の筋肉がうまく機能しなくなる病気の1つが心筋症で、
血液が身体に回らず、さまざまな症状を引き起こします。
心筋症は、年齢を問わず発症します。レントゲンやエコーなどの健康診断時や精密検査で
見つけることができます。
わかりやすい症状としては、呼吸がしにくく苦しそうにしている、心拍数が多い
などがあります。いつもと違う様子が見られる場合には、すぐに動物病院へ。
また、心筋症の種類の中で、最も猫に多いとされている肥大型心筋症は、
遺伝子の変異も原因だということがわかっています。遺伝子検査が、病気の早期発見に
繋がることもあります。
猫の結膜炎
結膜炎は、猫のまぶたの裏にある結膜が炎症を起こしてしまう病気のこと。
目や目のまわり、まぶたの裏が赤く腫れ、涙や目やにが出るなどが主な症状です。
結膜炎が進行すると腫れあがった結膜によってまぶたとまぶたがくっつき、
目が開かなくなってしまうことも。炎症が波及すると眼球の表面と結膜が
くっついてしまうため、早急に治療をする必要があります。
また、多頭飼育をしている家であれば、一緒に暮らしている猫に感染してしまう
可能性がありますので注意が必要です。
糖尿病
高齢になると猫の糖尿病の発症リスクは高まります。肥満、偏った食事などが
原因といわれていますが、そのほかにウイルス感染や、遺伝・免疫疾患などにより、
糖尿病を引き起こす可能性があります。
膵臓から分泌されるインスリンは、血糖値を下げる役割をもっていますが、
そのインスリンの分泌が足りない場合や、肥満によってインスリンの効き目が
低くなってしまうと、糖尿病を発症する可能性が高くなります。糖尿病を予防するには、
太りすぎないよう食事の管理をすることや、充分に運動もできるストレスのない
生活環境を作ってあげることが大切です。また、糖尿病の主な症状として多飲多尿が
あるため、猫が飲んでいる水の量やおしっこの量を日頃から把握しておきましょう。
尿石症
尿に含まれているさまざまな成分が結晶化し、腎臓や膀胱などを含む尿の通り道で
結石となってしまうことで引き起こされる病気です。膀胱に結石ができている場合は、
「膀胱結石」と呼ばれます。
水分を十分にとっていなかったり、遺伝の他、尿路に細菌が入って起きた炎症が
きっかけというケースもあります。
おしっこの回数が多すぎたり、おしっこに血が混じっていたり、発熱や食欲がない様子や、
おしっこをしている際に痛がる様子があれば、すぐに動物病院へ連れて行って
あげましょう。結石が詰まってしまい尿が全く出ない状態になると命に
係わることがあります。尿石症にならないよう、普段からストレスのない生活を送らせ、
水を飲みやすく工夫するなどしてあげましょう。
歯肉炎・歯周炎
一般的には、歯垢や歯石の中の細菌が原因となって発症する病気で、
猫ではウイルス感染と免疫力の低下が原因でも認められます。歯周病には
比較的軽度な状態を指す歯肉炎と、歯茎以外の歯の根元の組織にまで炎症が
広がってしまっている歯周炎という状態が含まれます。
口の中の免疫バランスが悪くなっていたり、歯磨きを定期的にしていないなど、
歯石がついたままの状態が長く続くと発症する可能性が高くなります。
正常な猫の歯茎の色は、ピンク色であるのに対し、歯周病では赤く腫れ、出血、口臭や
よだれ、歯がぐらつくなどという症状も出てきます。
また、痛みにより食べづらくしていたり食欲が落ちる場合もあります。
歯周病の状態がひどい場合は歯石をとるだけではなく歯そのものを抜く
必要が出てきてしまうため、早めに気づいてあげることが大事です。
膵炎
嘔吐や下痢、腹痛などの症状がみられ、激痛を伴う重度の急性膵炎をはじめ、
症状がないままの慢性膵炎もあります。糖尿病の猫が慢性膵炎を併発している場合もあり、
すでに糖尿病にかかっている猫は要注意です。
中高齢の猫によくみられる病気ですが、品種や性別によっての発症率の差は
ほとんどありません。定期的な健康診断をしながらも、日頃からバランスのよい食事をとる
ことで重度の膵炎を防ぐことができます。
鼻炎
人間にも鼻炎という症状があるように、猫にも鼻炎があります。初期症状は、くしゃみや、
水っぽい鼻汁。さらに症状が悪化すると粘液性のある膿、鼻汁がみられ、
ひどい場合には血液が混ざることも。鼻で呼吸ができなくなると、
当然ごはんの匂いもわかりませんから、食欲がないなどの症状が現れます。
鼻炎の原因はさまざまで、ヘルペスウイルスやカリシウイルスなどのウイルスが
原因になっている場合や、細菌感染が原因となっている場合も。
乾燥した部屋や寒い場所では、感染症にかかりやすく鼻炎を発症しやすいため、
感染症予防のワクチン接種や、寒さ対策をして鼻炎を防いでいきましょう。
副鼻腔炎
鼻炎が長引く、慢性化するなどといった原因によって副鼻腔炎を発症することが
ほとんどです。主な症状は、鼻炎と似ている部分もありますが、粘り気のあるドロッとした
膿性のある鼻汁が出たり、くしゃみが出たりします。鼻汁がうまく排出できず、
そのまま鼻腔内にたまってしまうと蓄膿症を発症し、呼吸のしづらさなどから
荒い呼吸音が見られることがあります。予防法は、副鼻腔炎になる手前の鼻炎の段階での
治療です。また、鼻炎や副鼻腔炎の原因となる感染症の予防のためのワクチンを
接種すること、そして鼻水やくしゃみなどの症状にいち早く気づいてあげることです。
上部気道炎
猫カリシウイルスと呼ばれる猫の間ではよくみられるウイルスが感染した際に
引き起こされる病気です。鼻水やくしゃみ、眼のまわりの汚れ、結膜炎、角膜炎、
歯肉炎、口内炎などさまざまな症状が出ます。鼻が詰まってしまったり、
口の中の痛みによって、食べ物の味がわからず食欲が減少することがあります。
猫カリシウイルスは他の猫から感染するものがほとんどです。
症状のある猫と接触させることや、知らない猫をなでた手で自分の猫を触ることは
避けましょう。多頭飼育の状況下で発症した場合には、感染が広がらないように
別の部屋に隔離し、トイレやお皿などの共有物の消毒・殺菌を徹底しましょう。
甲状腺機能亢進症
甲状腺機能亢進症は、甲状腺ホルモン(体の代謝を活発にするホルモン)が過剰に
分泌されることで発症する病気です。通常、甲状腺は体の外から触って
わかるものではないですが、甲状腺機能亢進症が進行していると、外から触って
わかるほどの大きさになっていることもあります。行動が活発になりすぎていたり、
落ち着きがなくなったり、噛んだり、絶えず鳴き出したりなどの行動が見られた場合には
甲状腺機能亢進症の可能性も。そのほかには、水を飲む量が増えたり、
食欲増進しているにも関わらず、痩せたり、脱毛や毛艶がなくなるなど、見た目の変化も
出てきます。中高齢の猫に多い病気なので、定期的に動物病院で検診を行い、
病気を防ぎましょう。
猫伝染性腹膜炎(FIP
猫伝染性腹膜炎ウィルスに感染している猫の糞便や尿、分泌物などを口や鼻から
摂取することで感染する猫伝染性腹膜炎。体重が減ったり、元気がなかったり、
熱が出たりなどの症状が見られ、お腹や胸の部分に水が溜まることで、
肺を圧迫し呼吸困難などの症状が出てきます。
また、別の症状として、脳内に炎症を起こしたり、眼に異常がみられるなどの症状も
引き起こされます。治療法はなく、抗生物質や抗炎症剤など対処療法が主流となり、
死亡率も高く発症して数日から数ヶ月で命を落とすといわれています。
一見怖い病気に思えますが、外の猫との接触を避け、室内でストレスのない生活を
していれば防げる病気です。
巨大結腸症
腸の働きが悪くなって溜まった便が、硬くなり排泄が難しくなることから進行します。
結果、結腸の壁が伸びきってしまって機能を失い、便秘・しぶり・頻繁な排便行為に加え、
嘔吐や食欲不振が起こります。予防は、しっかりと運動をさせ太らせないことや、
ストレスのない生活をさせる、排便しやすい環境作りなどがあげられます。また、
便の様子は毎日チェックし、普段よりも硬い便や、排便行動に異常がみられた場合には
注意が必要です。
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