日々雑感

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19. 8. 27(月)

韓国が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)を破棄

8月22日に韓国が日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)破棄を発表した。
発端は徴用工問題、その報復として日本からの輸出3品目問題、続いてホワイト国解除問題、そしてこれだ。
日本政府は輸出3品目、ホワイト国解除は報復ではなくて別の問題だと言っているが、その理由をきちんと説明していない。
GSOMIA破棄に至っては、「破棄すると韓国が損だけだから」と言っていたのに破棄されたら大慌て。
TVでは反韓煽りがはなはだしい。日本という国が情けなくなってくる。

徴用工問題は日本は初めは「国家間の損害賠償権は消滅しているが、『個人請求権まで消滅していない』」と国際法上の権利を認めてきたのに(中国には賠償している)、ここに来て「日韓基本協定で最終的に解決済み」だと意見を変えてきている。
ダブルスタンダードも甚だしい。

輸出3品目問題は初めは「韓国が危険な国に秘密に輸出している」と言っていたのに、韓国に「危険な武器を作成することもできる材料を北朝鮮に密輸出しようとして摘発されたのは、むしろ⽇本だ」という資料を公開されて、⽇本側の経産省担当者が「不適切な事案」について「第三国への横流しを意味するものではない」と説明し、慌てて⽕消しに⾛った。
そして、世耕弘成経産相も同様で、会⾒では国際機関を通じた解決について聞かれ、「国際機関のチェックを受けるような性質のものではまったくない」と完全に逃げ腰になっている。
その後これについての明確な説明は無い。

ホワイト国解除問題は「安全保障上『不適切な事案』があるから韓国を『ホワイト国』から外す」という事だ。しかし何が「不適切な事案」なのか、政府は具体的に⾔っていない。
ここに来て日本政府は、韓国から「信用できないからホワイト国を外すのなら、信頼されていない国と日韓軍事情報包括保護協定を続けることは出来ない」と当たり前の事を言われて大慌てになっている。
日本政府の正当性を説明できないから、TVでは反韓を煽り続けている。
韓国旅行をしている日本女性が韓国の男性に暴力を振るわれたとVTR付きで、TVで報道され出した。
単なる暴力事件として扱ったらいいのに、国民に韓国は悪い国だと印象付けるような報道だ。
まるで「かくて“自由”は死せり」を地で行っているかのごとくだ。
これに対して、それは違うだろうという報道も見られるようになったことは、少しの救いだ。
韓国、中国とは仲よくしていくべきだ。
喧嘩していいことは何も無い。情けないと同時に、心配な政治の流れだ。

19. 8. 15(木)

表現の自由の危機②

12日深夜、偶然 NHKスぺシャル「かくて“自由”は死せり」を見た。
内容はNHKの案内によると
「戦前最大の右派メディアが見つかった。時の司法大臣・小川平吉が、1925年に創刊した「日本新聞」である。新聞が発行されていた11年間は、日本が「大正デモクラシー」から急速に「軍国主義」に傾斜していった時代だった。なぜ日本人は、一度は手にしていたはずの「自由」を手放し、「戦争への道」を進んだのか。「日本新聞」を手がかりに、見つめていく。」
という事だが、
この報道に対してネトウヨらしい者たちが「僅か15000部しか発行していない戦前最大の右派新聞と言われる「日本新聞」の論調が、世論を戦争に導いたと報じているが、それなら朝日新聞や毎日新聞の戦前の記事もあわせて検証しろよ!」などと色々批判している。
しかし批判の内容を見てみると、この放送を見ていないのではないかと思われる。
どうして朝日、毎日新聞批判に行くのか。
報道は、「日本新聞」を手がかりにしているだけで、自由がどのように死んでいったかを取り上げているのだ。
報道で語られている歴史の流れは、ショックだった。
これを見て、前回書いた「表現の自由の危機」がまさにこれではないのか、「あいちトリエンナーレ」問題がその端緒を表しているのではないのかという危惧だ。
番組では、日本が「大正デモクラシー」華やかな中、国粋主義を提唱した小川平吉により大正14年(1925)に「日本新聞」が発刊され、昭和10年(1935)で廃刊になる。その間、1930年のロンドン軍縮条約について、国民の支持を得ていた濱口雄幸総理を「統帥権干犯」と批判。まもなく濱口は東京駅頭で狙撃される。
1年もたたずに、1931年、満州事変が発生。 おりしも、大不況で閉塞感があったところに発生した満州事変を国民は支持するようになってしまった。
1932.5.15事件で犬養毅が暗殺され、1935年美濃部達吉の憲法学説「天皇機関説」が攻撃される。
これ等の件から、どんどん戦争への道を突き進んでいくことになる。
今は、政府を批判したり、安倍首相を批判したりすると「反日」とレッテルを張ることが起きている。
これは、この放送の時代の「非国民」と同じだ。
非国民と言われて物が言えなくなって行って、戦争へと突き進んでいった時代を思わせる。
今はそこまでひどくはないが、同じ道を歩んでいるように思えてならない。
「あいちトリエンナーレ」問題がその表れではないのか。
放送を見ていない人は、youtubeで「かくて“自由”は死せり」で検索すると見ることが出来る。

19. 8. 8(木)

表現の自由の危機

日本に大きな問題が起こっている。
色々あるが、①「有志連合」問題②「日韓」問題③「あいちトリエンナーレ」問題だ。
身近で気になる「あいちトリエンナーレ」問題について書く。
国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」の企画展「表現の不自由展・その後」の展示に対し、発表によると、2日午前9時過ぎ、企画展に展示されている慰安婦を表現した少女像について「大至急撤去しろや、さもなくばガソリン携行缶持って館にお邪魔するので」とのファクスが、会場だった名古屋市東区の愛知県美術館(愛知芸術文化センター内)に届いているのが見つかったという。
そして、企画展は3日で中止された。
中止理由は大村知事は会見で、「これ以上エスカレートすると、安心して楽しくご覧になることが難しいと危惧している。テロ予告や脅迫の電話等もあり、総合的に判断した。撤去をしなければガソリン携行缶を持ってお邪魔するというファクスもあった」と説明した。
反対意見やテロ予告や脅迫でこの展示会が中止になったという事は、大きな問題だ。
表現の自由が反対の力で奪われたのだ。
その上、市長や大阪の知事、市長等行政の長がこれに賛成している。なんということだ。
自分たちの意見に反対のことがあれば、反対意見やテロ予告や脅迫で中止できるという前例が出来たのだ。
その上、表現の自由を守るべき行政の長が圧力をかけた事を良としている。
今の日本に蔓延しつつある「日本に都合の悪いこと」に圧力をかけて無しにしてしまおうという勢力がますます勢いづいてくる。
これは戦前の物が言えない状態に近づいているのではないか。
戦前に表現の自由が弾圧されたまま、多大な人命の犠牲を国民に強いる戦争へと突き進んだ過去への反省にたち、この動きは止めなければならない。
まず、「大至急撤去しろや、さもなくばガソリン携行缶持って館にお邪魔する」を送った人間を特定し、逮捕すべきだと思う。
と思っていると、
ファクスで脅迫文が届いたとして、愛知県は6日、県警東署に威力業務妨害容疑で被害届を出し、受理されたと発表した。
とあり、
今日の新聞には「容疑の50代の会社員逮捕」とある。これで良いのだ。
また、TVでは、小泉と滝川の結婚問題を大々的に取り上げているがこんなものは軽く扱い、「表現の不自由展・その後」問題を扱うべきだ。
今、朝日のミントでは、大村知事と河村市長の意見、大阪府知事、市長の「反日プロパガンダ」という意見を取り上げ、コメンテーターが「『反日プロパガンダ』など曖昧な言葉で長が圧力をかけることは問題」だとして「表現の自由を侵す」と報道していた。
当たり前だ。でも短かった。
今、「不自由展」の再開を求める動きが出ている。
憲法や歴史学者ら7人が7日、都内で会見し、「今回の事態は日本社会が『表現の不自由な社会』であることを改めて実証した」「『表現の自由』を社会の手に取り戻そう」と訴え、展示の再開を求めた。
とある。
日本も捨てたものではない。頑張ってほしい。